エンジニアリング事業
第01回
韓国SMH社との協業でスタックホイルローダを納入
2017/09/19
2013年
韓国のSMH社とヤードマシンに関して業務を提携
日本製鉄㈱九州製鉄所殿より、スタックホイルローダを受注。韓国で同機械の実績を誇るSMH社と業務提携を行い、当社におけるスタックホイルローダ第一号となるプロジェクトに踏み切りました。
スタックホイルローダの製作工程
スタックホイルローダとは、コークスや鉱石などのバラ物を貯蔵ヤードに連続して山を作るようにして積み上げるスタッカ(積み付け)機能と、反対に貯蔵ヤードに積み付けられたバラ物をすくい取ってベルトコンベアへ送り出すリクレーマ(払い出し)機能の双方を備えた設備です。スタッカの実績は元々あった当社ですが、スタックホイルローダの製作は初めてのため、業務提携したSMH社が設計と製造を担当しました。また、当社は設計の確認、製造段階でのチェック、および現地搬入後の組立、据付、試運転調整などを受け持ちました。SMH社が設計と製造に費やした約1年、産機事業部スタッフが毎月韓国の同社へ赴いて打ち合わせおよび確認作業を実施。国境を越えてお互いの認識の齟齬を埋める作業に腐心しながらも、海外企業との協業によって当社の技術力・対応力をさらに高める貴重なステップとなりました。
性能向上を実現したスタックホイルローダ技術
スタックホイルローダの最大の利点は、スタッカとリクレーマという両方の機能を備え、2台で行う作業を1台で行えるところにあります。省スペース、省力化を実現できるうえ、日本製鉄㈱九州製鉄所殿へ納入した同機械には自動運転機能を付与。機上に設置された運転室からだけでなく遠隔操作でもオペレーションが可能になりました。連続した作業工程をあらかじめインプットしての自動運転、および実際の積山を検知しての自動運転ができ、作業時間・人件費の削減に役立ちます。長年の大型荷役機械の実績で培ってきたさまざまなノウハウがお客さまの課題解決に生かされています。
エンジニアリングを担当した産機事業部担当者のコメント
今までもさまざまな新しい装置設計や業務に従事してきましたが、今回のような海外メーカーとの協業による大型機械のプロジェクトは初めて。設計、製作、工事、試運転と各工程でのプレッシャーを感じながらも、濱田重工としてのプライドを持って進めていきました。今回の協業プロジェクトのスタートにより、海外メーカーとのパートナーシップを進める良い実績になったと思います。
産機事業部
機械装置設計グループ
福吉 淳一さん
現地工事を担当した八幡支店担当者のコメント
この工事は統括安全衛生管理計画の下、据付工事3ヵ月、試運転1ヵ月合計4ヵ月の「当社統括体制下での独立建設工事」でした。災害防止協議会を組織し、安全管理、工程管理、操業調整などを実施し、完全無災害にて目標を達成しました。最も重視・工夫をした点は“重心”計算。設計上の重心とは異なり、据付工程における重心計算です。設計上はすべて完成すると安定しますが、据付の過程では不安定。何度も図面の確認を行いながら、工事進捗に合わせた施工計画を綿密に行い、工事関係者全員に周知徹底を行い、完全無災害にて完工することができました。
君津支店
舞浜営業所長
久保田 章さん
八幡支店
整備・工事課 係長
黒亀 信行さん