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半導体事業

第01回 
試行錯誤で改善を重ねウェハーの清浄度アップ

2017/06/14

自然環境が豊かでアクセスに便利な中核工業地帯に熊本工場を構える

 昭和60年ごろ、弊社は経営基盤の強化・拡大を図って積極的に新規事業に取り組んでいました。その一つが電子事業で、発足当初は電子材料であるシリコンスクラップの活用が検討され、特に太陽電池製造の検討では、アメリカでの調査も行いました。その後シリコンの加工技術を外部から導入し、シリコン素材の加工を開始。その結果、シリコンウェハー再生事業へと結びつきました。その工場を構える地として、自然環境が豊かで、熊本空港が近くアクセスに便利な熊本県菊池郡大津町の熊本中核工業団地が選ばれました。平成2年10月に現在のA棟が完工し、順次拡張を重ねています。

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シリコンウェハーの再生とは

 シリコンウェハー(以下SW)は、高純度金属シリコンの単結晶を円板状に加工したもので、その表面に微細な電子回路を作り込んで切り分けたものが、半導体チップになります。
 電子回路を作る工程は、製品により異なりますが、中には1000工程を超える場合もあります。工程では、品質管理がとても重要で、さまざまなプロセスで品質チェック用のSWを用いた品質確認が行われています。それらの品質確認に使用されたSWが、再生目的で当社に送られてくるのです。
 当社に送られた使用済みSWは、チリやホコリ(異物)が極限まで遮断されたクリーンルームと呼ばれる特別な部屋で、ケミカル処理、研磨、洗浄のプロセスが施され、新品と同様の品質に再生され、世界中のお客さまに返送後、再び品質チェックなどに用いられます。

シリコンウェハーの洗浄技術

 SWの再生加工の最終工程は、精密洗浄となります。洗浄後のSWにどれくらいのサイズの異物が、表面に何個付着しているかを測定し、規格に合格したもののみ製品となりますが、その規格も年々厳格化(微小化)しており、洗浄技術の向上は必須の最重要課題となっています。

熊本工場の前身の精密加工センター
シリコンウェハー(SW)・洗浄装置

数字で見る技術革新 「異物」のサイズ

事業スタート時:直径150㎜SW上の0.3㎛の異物管理
現在     :直径300㎜SW上の0.037㎛の異物管理
 SWの大きさを九州に置き換えると、事業スタート時は九州全体に直径約60㎝の異物が数十個あっても構わなかったものが、現在はゴルフボールサイズの異物がいくつまで、という管理レベルが求められています。(大気中には、0.5㎛の異物が数百万個存在しますが、クリーンルームには、それらの異物はほとんど存在しません。)
 
㎛(ミクロン)とは・・・
1㎛は1000分の1㎜(髪の毛の直径は、40㎛~150㎛)。

SWが九州の大きさだとしたら

スタート時の技術開発担当者

後藤 靜司 さん安全衛生グループ後藤 靜司 さん

 洗浄後のSWの異物測定は、現在はレーザー光を使用した自動測定器で行われていますが、事業スタート時は、暗室でスポットライトを当て、キラリと光る異物を人の目で数えていました。
 人の目で見えるのは、0.3㎛以上といわれています。綺麗なSWでは、表面に付着した異物が夕空に光る1番星や2番星のように確認されますが、星がたくさんありすぎると数えるのが難しいように、異物が多いSWではその個数を数えることができません。この異物をいかに少なくするか、試行錯誤しながら洗浄方法の改善に努めたことを思い出します。当時は仕事のあとに、夜空を見るのが嫌でした。