エンジニアリング事業
第02回
船舶への積込みニーズに幅広く対応するシップローダ
2017/12/05
2006年
日鉄鉱業㈱鳥形山鉱業所殿向け 「3号シップローダ」 増強工事
日鉄鉱業(株)鳥形山鉱業所殿から、船積み時間短縮のためシップローダの能力増強に関して問い合わせを受けたことを機に、OEMで培ってきた技術を生かして増強工事を受注。当社におけるシップローダの歴史はこうして幕を開けました。
6台のシップローダの実績
シップローダとは、ベルトコンベアで搬送されてきた鉱石・石炭・石灰石・スラグといったバラ物を、岸壁や桟橋からバラ積み船に積載する設備。2006年、産機事業部にて日鉄鉱業(株)鳥形山鉱業所殿の既設シップローダの増強工事を手掛けたのを皮切りに、2008年と2010年に石灰石積出用のシップローダ2台を受注。また、2012年には、新日鐵㈱(現日本製鉄㈱)九州製鉄所殿からスラグ積出用のシップローダの製作を受注しました。積出設備に、独立自走式のダンプトラック用スロープが付いた構造が特徴です。2014年には、周南バルクターミナル㈱殿向けのNo.1シップローダ更新工事を受注しました。桟橋の環境に合わせて旋回・俯仰ブーム方式を採用しています。2017年には、濱田重工が手がけた6台目のシップローダとして、大分製鐵所殿向けシップローダが完成。船幅32メートルの大型船に対し、船倉の隅々まで積付できるテレスコシュートを装備しています。
シップローダ製造技術の進化
当社の強みは、高度な技術を駆使して顧客ニーズに幅広く対応できることです。積出機能のみに留まらず、独立自走式のダンプトラック走行用スロープを開発し、車両からの受け入れも可能にしました。また、排出口を象の鼻のように前後に可動させ、バラ物の飛距離を変えるテレスコシュート(ベルトコンベア出口部の伸縮する箱形装置)に改良を加えて、バラ物をより遠くに飛ばし、かつ船倉の隅々まで積付できる工夫をこらすなど、シップローダ技術は実績を積むごとに進化しています。
日鉄鉱業(株)鳥形山鉱業所殿「2号シップローダ」担当者
産機事業部・搬送プラント設計グループ
烏田 武さん
産機事業部・システム制御設計グループ
田村 輝彦さん
2017年新日鐵住金(株)大分製鐵所殿向けシップローダが完成!
当社が手掛けた6台目のシップローダがついにお披露目。
大分製鐵所殿向けシップローダ製作に携わった皆さん
1列目左から納富希望さん、宮原幸太さん、井村満さん、田村輝彦さん、足立宏行さん
2列目左から竹内亮太さん、木宮巧智さん、髙原正樹さん、烏田武さん
組写真右上より、樋口典行さん、脇野正輝さん、土居司さん
完成までの道のり
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01.走行装置・ポータル仮組
製作品を各小ブロック単位で
仮組開始 -
02.ポータル・ブーム・
運転室仮組シップローダの形が見えてきました。
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03.トリッパ・シップローダ
仮組完了工場内の試運転が終わり仮組〜工場内試運転が完了。シップローダ完成形。
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04.起重機船による出荷
無事出荷が終わるまで冷や汗ものです。
担当者の皆さんに聞く!大分製鐵所殿向けシップローダのここがスゴイ
産機事業部
機械装置設計グループ
責任者
足立 宏行さん
大型化とテレスコシュートは
これまでにない試みでした。
過去の5台と比べると大きさが段違いです。また、今回はお客さまから「船の上に均一に荷を載せられるようにしたい」という要望があったので、テレスコシュートの可動範囲を広げました。各担当者の知見に頼りながら、試験を繰り返して、ようやく形になりました。
産機事業部
システム制御設計グループ
テレスコシュート・電気関係担当
田村 輝彦さん
お客さまのニーズに寄り添い
唯一無二の動きをするものが完成!
テレスコシュートとは、伸縮する箱型のベルトコンベアの出口のようなもの。これまで4台のシップローダに関わってきましたが、当然ながらニーズが変われば仕様も変わります。「鼻」と言われるテレスコシュートの部分が、いかにふれるかを今回はとことん追求しています。
産機事業部
機械装置設計グループ
ベルトコンベア担当
木宮 巧智さん
図面枚数が5倍以上!
400mのコンベアに挑戦。
ベトナムに何度も足を運んで付帯コンベアのチェックをしました。外部の方々にも協力を仰ぎながらの製作でしたね。今回、コンベアは400mと非常に長いのが特徴です。図面枚数は通常の5倍以上!こんな大型は、手掛けたことがなかったので大変でした。